2直線の距離を与える公式

  2直線の間の距離 $d$ は、

直線と直線の距離00

である。 ここで、$\mathbf{x}_{0}$, $\mathbf{x}_{0}'$ は、それぞれの直線上の一点である。 また、 $\mathbf{m}$, $\mathbf{m}'$ は、それぞれの直線の方向ベクトルである。
最終更新 2018年 1月28日


  証明

  次のステップを踏んで証明を行う。

● 2直線と直交し、なおかつ交差する直線が存在すること。
● 2直線と直交する直線との交点間の距離が、2直線間の距離を最小にすること。
● 2直線の最小距離を2直線間の距離として定義すると、それが上記の結果となること。


2直線と直交し、なおかつ交差する直線が存在することの証明
  二つの直線

直線と直線の距離01

の方向ベクトル $\mathbf{m}$ と $\mathbf{m}'$ の両方と直交する方向ベクトルは、 これらの外積の方向を向く。すなわち、 $ \mathbf{m} \times \mathbf{m}' $ の方向を向く。
  ここで、 直線 $L$ 上に原点を持ち、$\mathbf{m}$ の方向を $X$ 軸、 $\mathbf{m} \times \mathbf{m}'$ の方向を $Y$ 軸とする座標系 $C$ とする。

直線と直線の距離の図00

$C$ の $X,Y,Z$ 軸を向いた正規直交基底をそれぞれ $\mathbf{e}_{x}, \mathbf{e}_{y}, \mathbf{e}_{z}$ とすると、

直線と直線の距離02

である。 原点が 直線 $L$ にあり、直線の方向ベクトルが $\mathbf{e}_{x}$ であることから、 直線上の一点である $\mathbf{x}_{0}$ は、

直線と直線の距離03

と表せる。 これを $(1)$ に代入すると、 $L$ 上の点が

直線と直線の距離04

と表される。
  一方、スカラー三重積の循環性により、

直線と直線の距離05

であるので、$\mathbf{m}'$ は、$\mathbf{e}_{y}$ と直交する。 よって、 $\mathbf{m}'$ は、

直線と直線の距離06

と表せる($m_{x}, m_{y}$ は定数)。 これを $(1)$ に代入すると、 $L'$ 上の点が

直線と直線の距離07

と表される。 $L'$ 上の一点 $\mathbf{x}_{0}'$ を正規直交基底を用いて

直線と直線の距離08

と表すと、 $(3)$ は

直線と直線の距離09
と表される。
  ここで、パラメータ $t'$ が任意の値をとれることから、

直線と直線の距離10

を満たす $t'$ が存在する。 これを満たす $t'$ に対する直線 $L'$ 上の位置を $\mathbf{k}'$ とすると、 $(4)$ から $\mathbf{k}'$ は、

直線と直線の距離11
である。
  一方で、 パラメータ $t$ もまた任意の値をとれるので、

直線と直線の距離12

を満たす $t$ が存在する。 これを満たす $t$ に対する直線 $L$ 上の位置を $\mathbf{k}$ とすると、 $(3)$ から $\mathbf{k}$ は、

直線と直線の距離13
である。
  これらより、

直線と直線の距離14

となるが、$(2)$ と スカラー三重積の循環性により、

直線と直線の距離15

が成立する。
  これらは、$\mathbf{k}$ と $\mathbf{k}'$ を結ぶ直線 $L_{k}$ が 直線 $L$ と 直線 $L'$ の双方に直交する直線であることを表している。 また、 $L_{k}$ は、$L$ と $L'$ 上を通るので、 これらと交差する直線である。
  以上から、 2直線 $L$, $L'$ と直交し、 $L$, $L'$ と交差する直線が存在する。


2直線と直交する直線との交点間の距離が、2直線間の距離を最小にすることの証明
  上の証明によって、2直線 $L$ と $L'$ に直交し、なおかつ、これらと交差する直線 $L_{k}$ が存在することが確かめられた。
  今度は、$L_{k}$ と $L$ との交点 $\mathbf{k}$ と、 $L'$ との交点 $\mathbf{k}'$ 間の距離が、 $L$ と $L'$ のどんな点を結んだときよりも、小さくなることを証明する。 すなわち、 $L$ 上の任意の点を $\mathbf{x}$ とし、$L'$ 上の任意の点 $\mathbf{x}'$ とするとき、

直線と直線の距離16

が成立することを証明する。
  直線 $L_{k}$ の方向ベクトルを $\mathbf{m}_{k}$ とし、 $L_{k}$ 上にある一点を $\mathbf{x}_{k}$ と表すと、 $L_{k}$ 上の任意の点は、

直線と直線の距離17

と表せる。 ここで $t_{k}$ は、直線のパラメータである。 また、$\mathbf{m}_{k}$ は規格化されているものとする ($ \| \mathbf{m}_{k} \| =1$) 。

直線と直線の距離の図01

  $L_{k}$ は、$L$ と直交するので、交点 $\mathbf{k}$ は、 $L$ 上の点 $\mathbf{x}$ から直線 $L_{k}$ に下した垂線の足(射影点)に位置する。 従って、$\mathbf{k}$ は、

直線と直線の距離18

と表される (直線上への垂線の足の求め方を参考) 。
  同様に $L_{k}$ は、$L'$ と直交するので、交点 $\mathbf{k}'$ は、 $L'$ 上の点 $\mathbf{x}'$ から直線 $L_{k}$ に下した垂線の足(射影点)に位置するので、 $\mathbf{k}$ は、

直線と直線の距離19
と表される。
  これらより、

直線と直線の距離20

である。 $ \mathbf{x}-\mathbf{x}'$ と $ \mathbf{m}_{k}$ の成す角を $\theta$ と表すと、 内積とコサインの関係から、

直線と直線の距離21

が成立するので、$(6)$ は、

直線と直線の距離22

と表せる。 ここで、一般に

直線と直線の距離23

が成立することから、 $(7)$ から

直線と直線の距離24

を得る。 これは $(5)$ そのものである。


直線と直線の距離(2直線の最小距離)
  上の議論によって、 二直線 $L$ と $L'$ の間の最小距離が、 二直線と直交し、なおかつ交差する直線 $L_{k}$ と $L$ との交点 $\mathbf{k}$ と、 $L_{k}$ と $L'$ との交点 $\mathbf{k}'$ との間の距離であることが証明された。 この最小距離を二直線間の距離 $d$ として定義する。 すなわち、

直線と直線の距離25
と定義する。
  直線 $L$ 上の任意の点 $\mathbf{x}$ と、直線 $L'$ 上の任意の点 $\mathbf{x}'$ に対して $(6)$ が成立することから、 $L$ 上の一点 $\mathbf{x}_{0}$ と、$L'$ 上の一点 $\mathbf{x}'_{0}$ に対しても $(6)$ と同様の関係

直線と直線の距離25

が成立する。 従って、

直線と直線の距離27

である。
  ここで $\mathbf{m}_{k}$ は、 直線 $L_{k}$ の方向ベクトルであり、 直線 $L$ と 直線 $L'$ と直交する方向を向くので、 $L$ の方向ベクトル $\mathbf{m}$ と、 $L'$ の方向ベクトル $\mathbf{m}'$ の外積によって、

直線と直線の距離28

と表せる。 ここで、 $\frac{1}{\| \mathbf{m} \times \mathbf{m}' \|}$ の部分は、 方向ベクトルの大きさを $1$ にするための規格化定数である。
  これを $(9)$ に代入すると、二直線の距離が求まる。すなわち、

直線と直線の距離29
である。








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