カイ二乗分布の満たす6つの大切な性質

最終更新 2018年 1月3日
  カイ二乗分布の満たす基本的な性質を以下に記す。
目次
- 定義
- 期待値
- 分散
- 和に関する再生性
- 標本正規分布とカイ二乗分布
- 標本正規分布の二乗和とカイ二乗分布
- カイ二乗分布と F分布
定義
  カイ二乗分布とは、確率分布 (確率密度関数) $p(x)$ が
カイ二乗分布
によって表される分布である。
  $n$ を自由度といい、 確率変数 $X$ がカイ二乗分布に従うことを
カイ二乗分布の記号
と表す。
カイ二乗分布の図
カイ二乗分布の図。
$n=2$ (青色)
$n=3$ (紫色)
$n=4$ (黄色)
$n=5$ (緑色)
期待値
  カイ二乗分布 $ \chi(n) $ に従う確率変数 $X$ の期待値 $E(X)$ は、
カイ二乗分布の期待値
である。
分散
  カイ二乗分布 $ \chi(n) $ に従う確率変数 $X$ の分散 $V(X)$ は、
カイ二乗分布の分散
である。
和に関する再生性
  確率変数 $X$ と $Y$ がそれぞれ
であるとき、 $X$ と $Y$ が独立であるならば、 和 $X+Y$ は自由度 $n+m$ のカイ二乗分布に従う。 すなわち、
カイ二乗分布の再生性
が成り立つ。
標本正規分布とカイ二乗分布
  確率変数 $X$ が標準正規分布 $ N(0, 1) $ に従うとき、
によって定義される確率変数 $Y$ は自由度 $1$ のカイ二乗に従う。 すなわち、
標本正規分布に従う確率変数の二乗〜カイ二乗分布
である。
標本正規分布の二乗和とカイ二乗分布
確率変数 $X_{i}$ $(i=1,2,\cdots,n)$ が標準正規分布 $ N(0, 1) $ に従うとき、
によって定義される確率変数 $Y$ は自由度 $n$ のカイ二乗に従う。 なぜなら標準正規分布とカイ二乗の関係から、
であるため、 和に関する再生性により、
が成り立つからである。
カイ二乗分布とF分布
  確率変数 $X$ と $Y$ が
であるとき、 $\frac{X/m}{Y/n}$ は自由度 $(m,n)$ のF分布に従う。 すなわち、
カイ二乗分布とF分布
である。