正規分布の基本的な性質

最終更新 2018年 1月2日
目次
- 定義
- 期待値
- 分散と標準偏差
- 標準正規分布
- 和に関する再生性
- 定数倍に関する再生性
- 標本平均と標本分散が独立
- カイ二乗分布との関係
- 最尤法
定義
  正規分布とは、確率密度関数 $p(x)$ が
正規分布
によって表される分布である。
  確率変数 $X$ が正規分布に従うことを
正規分布の記号
と表す。
正規分布の図
図は、$\mu=10$、$\sigma^2=4$ の正規分布 $N(10,4)$ である。
期待値
  正規分布 $ X \sim N(\mu, \sigma^2) $ に従う確率変数 $X$ の期待値 $E(X)$ は、
正規分布の期待値
である。
分散と標準偏差
 正規分布 $ N(\mu, \sigma^2) $ に従う確率変数 $X$ の分散 $V(X)$ は、
正規分布の分散
である。 標準偏差 $S(X)$ は、 $$ S(X) = \sqrt{V(X)}=\sigma $$ である。
標準正規分布
  確率変数 $X$ が正規分布 $ N(\mu, \sigma^2) $ に従うとき、次のように定義される確率変数
は、正規分布 $ N(0, 1) $ に従う。
  すなわち、期待値が $0$ で分散が $1$ の正規分布に従う。 このような正規分布を標準正規分布という。
和に関する再生性
  確率変数 $X$ と $Y$ がそれぞれ
と正規分布に従う確率変数であるとき、 $X$ と $Y$ が独立であるならば、 確率変数の和 $X+Y$ は、 期待値 $\mu_{1}+ \mu_{2}$、分散 $\sigma_{1}^{2} + \sigma_{2}^{2}$ の正規分布に従う。 すなわち、
正規分布の和に関する再生性
である。
定数倍に関する再生性
  確率変数 $X$ が正規分布 $ N(\mu, \hspace{0.5mm}\sigma^{\hspace{1mm}2}) $ に従うとき、 $X$ の定数倍 $cX$ は、 期待値が $c\mu$、 分散が $c^{2} \sigma^2$ の正規分布に従う。 すなわち、
定数倍に関する正規分布の再生性
である。 ただし $c > 0$ とする。
標本平均と標本分散が独立
  確率変数 $X_{1},X_{2},\cdots,X_{n}$ が同一の正規分布に従い、互いに独立であるならば、 標本平均
標本平均
と標本分散
標本分散
は、互いに独立な確率分布に従う。
カイ二乗分布との関係
  確率変数 $X$ が標準正規分布 $ N(0, 1) $ に従うとき、
によって定義される確率変数 $Y$ は、自由度 $1$ のカイ二乗分布に従う。 すなわち、
標本正規分布に従う確率変数の二乗はカイ二乗分布
が成り立つ。
最尤法
  正規分布 $ N(\mu, \hspace{0.5mm}\sigma^{\hspace{1mm}2}) $ を定義するパラメータ $\mu$ と $\sigma^2$ の最尤推定量は、 それぞれ 観測値の平均値と分散である。 すなわち、
正規分布に対する最尤法
ここで $\{x_{1}^{M}, x_{2}^{M}, \cdots, x_{n}^{M} \}$ は $X$ の観測値 であり、 $ \overline{x} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} x_{i}^{M} $ である。