解説
$2$ 次の正方行列
の行列式が $0$ でないとする。
すなわち、
$$
\tag{1.2}
$$
とする(
2行2列の行列式を参考)。
この場合、
$A$ には
逆行列が存在する。
$A$ の逆行列を $A^{-1}$ と表す。
このとき、
次の定理が知られている。
すなわち、
$A^{-1}$ は
$A$ の行列式の逆数 $\frac{1}{|A|}$ と余因子行列の積に等しい
。
式で表すと、
$$
\tag{1.3}
$$
である。
ここで、
$\tilde{A}$ は $A$ の
余因子行列である。
$\tilde{A}$ は次のように定義される。
まず行列 $A$ から $i$ 行 と $j$ 列を取り除いた小行列を $M_{ij}$ とする。
すなわち
とする。このとき $M_{ij}$ の行列式はそれぞれ
である。
余因子行列
$\tilde{A}$ の各成分はこれらにより、
と定義される(添え字の順序に注意)。
各成分で表すと、
である。
行列で表すと、
$$
\tag{1.4}
$$
である。
$(1.2)$ $(1.3)$ $(1.4)$ より
逆行列 $A^{-1}$ は、
である。