余因子行列と定義と例、および重要な性質
最終更新 2018年 1月3日
余因子行列 2行2列の場合
$2$ 次の正方行列
の余因子行列は、
である。
余因子行列 3行3列の場合
$3$ 行 $3$ 列の正方行列
の余因子行列 $\tilde{A}$ は、
である。
余因子行列 4行4列の場合
次の正方行列
の余因子行列を求めよ。
余因子行列と行列式
行列 $A$ とその余因子行列 $\tilde{A}$ の積は、$A$ の行列式と単位行列の積に等しい。
すなわち、
が成立する。
余因子行列の定義
$n$ 次正方行列 $A$ の $i$ 行 $j$ 列成分を $a_{ij}$ と表し、
$A$ から $i$ 行と $j$ 列のみを取り除いた行列を小行列 $M_{ij}$ とする。すなわち、
とする。
これにより
余因子行列 $\tilde{A}$ の $i$ 行 $j$ 列成分 $\tilde{a}_{ij}$ は、
と定義される(添え字の順番に注意)。ここで $|M_{ji}|$ は、小行列 $M_{ji}$ の行列式である。余因子行列を行列の形で表すと、
である。