対数関数を扱う上でよく使われる性質

最終更新 2018年 6月24日
対数関数の定義
  指数関数
は、 $y$ に関する単調増加関数であるので、 逆関数が存在する。 これを
対数関数の底変換
と表し、 底を $a$ とする対数関数と呼ぶ。
積の対数関数
  積 $xy$ の対数関数は、 $x$ の対数関数と $y$ の対数関数の和になる。 すなわち、
積の対数関数
が成立する。

証明
  底を $a$ とする対数関数をそれぞれ
と置くと、 対数関数の定義から、
であり、
が成り立つ。
  すると、 再び対数関数の定義の定義から $ u_x + u_y$ は、
と表される。 ゆえに、
が成立する。

べき関数の対数関数
  べき関数 $x^{p}$ の対数関数は、 べきと対数関数の積になる。 すなわち、
冪の対数関数
が成立する。

証明
  底を $a$ とする対数関数 を
と置くと、 対数関数の定義から、
である。 よって、
が成り立つ。
  すると、 対数関数の定義から、 $pu$ が
と表されるので、
が成り立つ。

分数の対数関数
  分数 $x/y$ の対数関数は、 $x$ の対数関数と $y$ の対数関数の差に等しい。 すなわち、
分数の対数関数
が成立する。

証明
  はじめに
と表し、 右辺に対し、 積の対数関数の性質を用いると、
である。 ここで、 $\log_{a} y^{-1}$ が べき関数の対数関数の性質から、
と表せるので、
が成り立つ。

対数関数の底変換
  底が $a$ の対数関数 $\log_{a} x$ は、 底が $b$ の対数関数 $\log_{b} x$ によって、
対数関数の底変換の公式
と表される。

証明
  はじめに
と置く。 対数関数の定義から
である。 これより、
である。 対数関数の性質から、 左辺を
と表せるので、
が成立する。 $y = \log_{a} x$ であったので、 この式から、
を得る。

対数関数の微分
  底が $e$ の対数関数 $\log {x}$ の微分は、
対数関数の微分
である $(x > 0)$。
対数関数 log の積分
  対数関数 log の積分は、
対数関数の積分
である。

証明
  対数関数の微分
であることから、 $x \log x$ の微分は
である。 これより、
を得る。

対数関数は単調増加関数
  対数関数は単調増加関数である。 すなわち、
とするとき、 $h>0$ であるならば
が成り立つ。

証明
  $f(x) = \log_{a} x$ $(x>0)$ とすると、 分数の対数関数の性質から
であり、 $h>0$ であるならば、
であるので、
が成り立つ ($b > 1$ ならば $\log_{a} b > 0$ を用いた)。 よって、
対数関数は単調増加
が成り立つ。
対数関数は単調増加の図
図は、底が $e$ の対数関数(赤線)と、 底が $10$ の対数関数(青線)である。 単調増加している様子が見て取れる。

$\log f(x)$ が最大になるとき、$f(x)$ も最大になる
  正の関数 $f(x)$ の対数 $\log f(x)$ が $x=x_{m}$ で最大値をとるならば、 もとの関数 $f(x)$ もまた $x=x_{m}$ で最大になる。 また、その逆も成立する。 すなわち、 $f(x)>0$ であるとき、
が成立する。

証明
  はじめに、 \begin{eqnarray} && \log f(x) \hspace{1mm} が \hspace{1mm} x=x_{m} \hspace{1mm} で最大値 \\ && \Longrightarrow \hspace{5mm} f(x) \hspace{1mm} が \hspace{1mm} x=x_{m} \hspace{1mm} で最大値 \end{eqnarray} を証明する。
  正の関数 $f(x)$ の対数関数 $\log f(x)$ が $x=x_{m}$ で最大になると仮定する。 すなわち、任意の $x$ に対して、
が成立すると仮定する。 分数の対数関数の性質を用いると、
が成り立つことが分かるので、 $\log$ が単調増加関数であることから、
である。 これと $f(x) > 0$ であることから、
を得る。 これは関数 $f(x)$ が $x=x_{m}$ で最大になることを表している。
  続いて \begin{eqnarray} && \log f(x) \hspace{1mm} が \hspace{1mm} x=x_{m} \hspace{1mm} で最大値 \\ && \Longleftarrow \hspace{5mm} f(x) \hspace{1mm} が \hspace{1mm} x=x_{m} \hspace{1mm} で最大値 \end{eqnarray} を証明する。
  そこで、任意の正の $x$ に対して、
が成立すると仮定する。 $f(x) > 0$ であるので、
が成り立ち、 $\log$ が単調増加関数であることから、
である。この式は 分数の対数関数の性質を用いると、
と表せる。 これは $\log f(x)$ が $x=x_{m}$ で最大になることを表している。