を $f(A)$ と表す。
このとき、
\begin{eqnarray}
f(A) = O
\end{eqnarray}
が成り立つ
($O$ は全ての成分が $0$ の行列)。
これを
証明
$A$ に対する固有多項式 $f(x)$ は、
$A$ の固有値
によって
と因数分解できる
(
固有多項式の因数分解を参考)。
ここで $C$ は定数である。
これより、
行列多項式 $f(A)$ は
である。
ところで、
任意の正方行列は
三角化可能であるので、
行列 $A$ には、
$$
\tag{1}
$$
を満たす
上三角行列 $T$
と
正則行列 $P$ が存在する。
このとき、$T$ の対角成分には $A$ の固有値が並ぶ 。
すなわち、$T$ は
$$
\tag{2}
$$
の形をした行列である。
$P$ が正則行列であること ($PP^{-1} = I$) と $(1)$ を用いると、
が成り立つ。
これより、任意のベクトル
に $P^{-1}f(A)P$ を作用すると、
であるが、
この中の $( T -\lambda_{n}I) \mathbf{v}$ の部分が
$(2)$ より、
と、第 $n$ 成分が $0$ のベクトルになるので、
である。同じように右辺の最後の部分が $(2)$ より、
と、第 $n-1$ 成分と第 $n$ 成分が $0$ のベクトルになる。
これより、
である。
以下同様に繰り返すと、
を得る。
$\mathbf{v}$ は任意のベクトルであるので、
が成り立つ
($O$ は全ての成分が $0$ の行列)。
これより、
.
である。