証明
二点 $A,B$ の垂直二等分面 $P$ とは、
$A$ と $B$ の中点 $M$ を通り、
$AB$ を結ぶベクトルと直交する平面である。
よって、
$P$ の法線ベクトル $\mathbf{n}$ は $A$ と $B$ を結ぶベクトル $\vec{AB}$ と同じ向きを向く。
すなわち、
$\mathbf{n}$ は
と表されるベクトルである。
二点 $A,B$ の位置ベクトルをそれぞれ $\mathbf{r}_{A}$ と $\mathbf{r}_{B}$ と表すと、
$AB$ を結ぶベクトル $\vec{AB}$ は、
であるので、
$\mathbf{n}$ は
と表される。
$P$ は平面であるので、
$P$ の
方程式を
と置くことが出来る。
ここで、
$h$ は
符号付き距離であり、
$\mathbf{r}$ は $P$ 上の任意の点である。
この方程式は、
上で表した法線ベクトル $\mathbf{n}$ を用いると、
と表される。
一方、
$P$ は垂直二等分面であるため、
$A$ と $B$ の中点 $M$ を通る。
よって、
中点の位置ベクトル $\mathbf{r}_{M}$ は、
を満たす。
$\mathbf{r}_{M}$ は、
$A$ と $B$ の位置ベクトル $\mathbf{r}_{A}$ と $\mathbf{r}_{B}$ によって、
と表せるので、
これらから符号付き距離 $h$ が
と表されることが示される。
以上のように、
垂直二等分面 $P$ の法線ベクトル $\mathbf{n}$ と符号付き距離 $h$ が求められたので、
平面の方程式は、
と表される。
このように平面の方程式は、
定数 c に依存しない。
二点からの等距離平面であること
$P$ の方程式、
を整理すると、
と表されるが、
両辺に $ \| \mathbf{r} \|^2 $ を加えて、
されに整理することにより、
が成立する。
この式は、
$P$ の任意の点と点 $A$ との間の距離が、
同じ点と 点 $B$ との間の距離に等しいことを表している (図)。
この性質を垂直二等分面の定義としてもよい。
すなわち、
垂直二等分面とは、
二点から等距離にある平面である。