証明
第 $n$ 項までの和を $S_{n}$ とする。すなわち、
とする。
このとき、$2n+2$ 項までの和 $S_{2n+2}$ は、
$2n$ 項までの和 $S_{2n}$ によって、
と表されるが、$a_{2n+1} \geq a_{2n+2}$ であるので、
が成立する。よって $S_{2n}$ は単調増加数列する。
また $S_{2n}$ は
と表されるが、括弧で囲まれた部分はすべて正であるので、すなわち
であるので、
が成立する。
ゆえに偶数項までの和 $S_{2n}$ は、上に有界な単調増加数列であるので、収束する。
その収束値を $S$ とする。
すなわち、
$$
\tag{1}
$$
とすると、奇数項までの和 $S_{2n+1}$ は、
を満たす。
仮定より $\lim_{n\rightarrow \infty}a_{2n+1} = 0$ であるので、
$$
\tag{2}
$$
が成立する。
よって、
奇数項までの和 $S_{2n+1}$ は、偶数項までの和と同じ極限値 $S$ に収束する。
以上の$(1)$$(2)$ より、
を得る。
$S_{n}$ は交代級数の第 $n$ 項までの部分和であったので、
(問題の仮定を満たす) 交代級数が収束することが示された。
解説
$
a_{n} = \frac{1}{n}
$
と置くと、
交代調和級数は、
と表される。
このとき、$a_{n}$ には
が成り立つので、
交代級数の収束条件を満たす。
したがって、
交代調和級数は収束する。
実際、交代調和級数の収束値は、
であることが知られている。
これを確かめるためには、
$\log(1+x)$ の
マクローリン展開
において、$x=1$ とすればよい。