外積とレビチビタの記号

最終更新 2017年 12月14日
  $3$ 次元ベクトル $\mathbf{a}$ と $\mathbf{b}$ の外積 $\mathbf{a} \times \mathbf{b}$ は、 レビ・チビタの記号を使って、
と表せる。 ここで $i=1,2,3$ であり、 $(\mathbf{a} \times \mathbf{b})_{i}$ はベクトル $\mathbf{a} \times \mathbf{b}$ の 第 $i$ 成分である。
  証明と簡単な例を以下に記す。

  説明

定義
  $3$ 次元ベクトル $\mathbf{a}$ と $\mathbf{b}$ を
と表すとき、 $\mathbf{a}$ と $\mathbf{b}$ の 外積 $\mathbf{a} \times \mathbf{b} $ は、
である (外積の定義と計算例を参考)。 各成分ごとに表すと、
となる。
  外積の各成分をレビ・チビタの記号を使って表すことがよくある。 レビ・チビタの記号は、 次のように $3$ つの添え字によって定義される。
添え字の中に同じ数字があれば $0$ になり、 それ以外は $\pm 1$ をとる記号である。
  これを用いると、 外積 $(1)$ の各成分を
と表すことができる。
  これらをまとめて表すと、
である。
計算例:
レビチビタの記号による外積の表現 $(3)$ から、 ベクトル
の外積を計算してみる。 すると、 $(2)$ により第 $1$ 成分は、
と計算される。 第 $2$ 成分と第 $3$ 成分も同様に計算される。
  このようにレビチビタの記号を用いて具体的な数値計算を行うと、 通常の定義から出発するよりも非効率になる。
メリット:
  上の例でみたように、 レビチビタの記号を使った表現を用いると、 外積の具体的な計算を行うには効率が良くない。 しかし、 レビチビタの記号には幾つかの性質があり、 それを用いることで、 ベクトル解析やテンソル解析の計算の見通しが良くなることがある。
  例えば 代表的な性質として、
がある ( 証明は「レビ・チビタの性質」を参考 ) 。 ここで $j,k.l,m = 1,2,3$ であり、 $\delta$ はクロネッカーのデルタである。
  これを用いると、 ベクトル解析の公式の一つである
の証明を比較的効率的に行うことが可能になる ( 詳細は ベクトル四重積の性質 )。
  このように 外積をレビチビタの記号を使って表すと、 一般論を考えるときには役に立つことがある。