外積の発散

  $\mathbf{a}$, $\mathbf{b}$ を3次元ベクトル、$\nabla$ をベクトル微分とするとき、次の恒等式が成立する。

勾配の回転00

なお、∇とベクトルとの内積を発散 (divergence) と呼び、∇とベクトルとの外積を回転 (rotation) と呼ぶ。
最終更新 2015年 8月25日


  証明

  3 次元空間のデカルト座標系の各軸を $x_{1},x_{2},x_{3}$ とし、ベクトル微分 $\nabla$ を

勾配の回転01

と表す。また各成分を

勾配の回転02

と略記する。 このとき、内積の定義から

勾配の回転03

である。
  右辺の外積をレビチビタの記号を使って、 $(\mathbf{a} \times \mathbf{b})_{i} = \sum_{j,k=1}^{3} \epsilon_{ijk} a_{j} b_{k}$ と表すと、 上の式は、

勾配の回転04

と表せる。
  積の微分の公式によって $\partial_{i} a_{j} b_{k} = b_{k}\partial_{i} a_{j} + a_{j} \partial_{i} b_{k}$ と表せることから

勾配の回転05

である。
  右辺の第一項では レビチビタの記号の巡回性により、$\epsilon_{ijk} = \epsilon_{kij}$ とでき、 第二項では、レビチビタの記号が添え字の入れ替えによって符号を変えることにより、 $\epsilon_{ijk} = -\epsilon_{jik}$ が成立するので、

勾配の回転06

と表せる。
  右辺の第一項において、 $\sum_{i,j=1}^{3}\epsilon_{kij} \partial_{i} a_{j} = (\nabla \times \mathbf{a})_{k}$ であり、 第二項において $\sum_{i,k=1}^{3}\epsilon_{jik} \partial_{i} b_{k} = (\nabla \times \mathbf{b})_{j}$ であることから

勾配の回転07

と表せる。
  内積の定義から、 右辺の第一項が $(\mathbf{b}, \nabla \times \mathbf{a})$ に等しく、 第二項が $(\mathbf{a}, \nabla \times \mathbf{b})$ に等しいことから、

勾配の回転08

を得る。






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