ネピアの定数を関数の極限で定義

最終更新 2018年 5月3日
  ネピアの定数 $e$ は、 数列 $\{ \left( 1 + \frac{1}{n} \right)^{n} \}$ の極限として
と定義されるが、 実数関数 $f(x) = \left( 1 + \frac{1}{x} \right)^{x}$ の極限にも等しい。 すなわち、
ネピアの定数を関数の極限で定義
が成り立つ。

  証明

数列 $\left( 1+ \frac{1}{n+1} \right)^{n}$ の極限は、 ネピアの定数 $e$ になることが次のように示される。
ここで、 2行目と3行目が等しいことを示すときに、 数列の積の極限が極限の積に等しいことを用いた。 また、 4行目では $m=n+1$ と置いた。
  これより、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して、
を満たす自然数 $N_{1}$ が存在する。
  同じように、 数列 $\left( 1+ \frac{1}{n} \right)^{n+1}$ の極限は、 ネピアの定数 $e$ になることが次のように示される。
ここで、 2行目と3行目が等しいことを示すときに、 数列の積の極限が極限の積に等しいことを用いた。
  これより、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して、
を満たす自然数 $N_{2}$ が存在する。
  従って、
である自然数を $N$ とすると、 これは、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して
を満たす。
  このような $N$ に対し、
を満たす実数 $x$ を定義する。 このとき、
が満たされるので、
が成り立つ。
  この不等式と $(2)$ から 不等式
と不等式
が成り立つ。 これらから、 不等式
を得る。 これより、
が成り立つので、 関数 $ \left| \left( 1+ \frac{1}{x} \right)^{x} -e \right| $ は、 不等式
を満たすか、 不等式
を満たすかのどちらかである。
  ところで、 $ N < n $ であるので、 $(1)$ から
が成り立つ。 従って、 $(3)$ と $(4)$ にいずれの場合であっても、
が成り立つ。
  以上の $(2)$ と $(5)$ から、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して、
を満たす数 $N$ が存在することが示されたので、
である。