切断べき関数
定義
次の関数
$$
\tag{1.1}
$$
を $n$ 次の
切断べき関数
(truncated power function)
という。
以下に例を挙げる。
例1
切断べき関数
は、
$x$ が $0$ より小さいならば
$0$ であり、
$0$ 以上であるならば
$x^{2}$ であるので、以下のように図示される。
例2
切断べき関数
は、
$x$ が $2$ より小さいならば
$0$ であり、
$2$ 以上であるならば
$(x-2)^{3}$ であるので、以下のように図示される。
微分 (導関数)
切断べき関数の導関数は、
である。
証明
$f(x) = (x-a)_{+}^{n}$ とすると、
切断べき関数の定義より、
であるので、
$x \lt a$
の場合、
である。
$x = a$
の場合、
微分の定義から
$x \gt a$
の場合、
である。
以上から、
が成り立つ。
積分
切断べき関数の不定積分は、
である。
証明
微分して被積分関数となることを示せばよい。
切断関数の微分の公式より、
であるので、
が成り立つ。
恒等式
切断べき関数には、
次の恒等式が成り立つ。
$$
\tag{6.1}
$$
証明
切断べき関数の定義を用いる。
$x \lt a$ 場合、
$(6.1)$ の左辺は、
である。
一方右辺は、
$n$ が偶数の場合、
であり、
$n$ が奇数の場合、
である。
$x \geq a$ の場合には、
$(6.1)$ の左辺は、
であり、右辺は
である。
以上から、
が成り立つ。