正規分布の分散と標準偏差
正規分布
$
N(\mu, \sigma^2)
$
に従う確率変数 $X$ の分散 $V(X)$ は
である。
標準偏差は、
である。
証明
正規分布 $N(\mu, \sigma^{2})$ に従う確率変数 $X$ の確率分布(確率密度関数) $p(x)$ は、
である。
分散の定義は、
であるが、
正規分布の期待値は、
であるので、
と表される。
右辺の積分変数を
と置換すると、
$x - \mu= \sigma t $ であるので、
と表せる。
右辺に現れた積分は、
積分範囲が $-\infty$ から $+\infty$ までの 2 次のガウス積分の公式によって、
という値を持つ。
ゆえに
である。
また、
標準偏差は、
である。
例
例 1:
下の図は
$\mu=10$、$\sigma=2$ の場合の正規分布である。
この正規分布の分散は
である。
例 2:
下の図は
$\mu=10$, $\sigma=4$ の場合の正規分布である。
この正規分布の分散は
である。
比較:
下の図は上の二つの正規分布を一つの図に表したものである。
分散の大きな正規分布(
赤線)の方が、
分散の小さい正規分布(
青線)よりもが分布の幅が広い。
このように分散は、
確率分布の幅の広さを表す指標となり、
正規分布の場合には $\sigma^{2}$ が大きいほど、
幅が広くなる。