証明
数学的帰納法によって、
任意の $n = 1,2,\cdots$ に対して、
が成り立つことを証明する。
はじめに、
組み合わせの定義
と、$0!=1$ と定義されることから、
であるので、
が成り立つ。
これは、$n=1$ の場合の二項定理である。
続いて、
$n=m$ の場合の二項定理
が成立すると仮定した上で、
$n=m+1$ 場合にも
\begin{eqnarray}
(p + q)^{m+1}
=
\sum_{k=0}^{m+1} {}_{m+1} \mathrm{C}_{\hspace{1mm}k} p^{k} q^{m+1-k}
\end{eqnarray}
が成り立つことを証明する。
まず $(p+q)^{m+1}$ は
と表せるが、右辺の第一項は、
と表せ、
第二項は、
と表せる。
したがって、
と表せる。
ここで組み合わせの定義より、
が成立するので、
が成り立つ。
これは $n=m+1$ の場合の二項定理である。
ここで、3つめの等号で
であることを用いた。
以上から、
数学的帰納法によって、
任意の $n = 1,2,\cdots$ に対して、
が成り立つことが証明された。
最後に、
を証明する。
左辺に対して $n-k=m$ と置くと、
であるが、
が成り立つので、
が成り立つ。