偏微分が連続 ⇒ 全微分可能

最終更新 2017年 2月19日
  二変数関数 $f(x,y)$ が偏微分可能であり、 その偏微分が連続関数であるならば、 $f(x,y)$ は全微分可能な関数であり、
偏微分が連続ならば全微分可能
と表せる。
  ここで、 $f_{x}$ と $f_{y}$ は それぞれ $x$ と $y$ に関する偏微分である。 また、 $ \Delta r = \sqrt{ \small \Delta x^2 + \Delta y^2} $ であり、 $ o \left( \Delta r \right) $ の部分は、
を満たす。

  解説

 
全微分可能とは?
  二変数関数 $f(x,y)$ の差分が
と表せるとき、 全微分可能であるという。 ここで、 $ \Delta r = \sqrt{ \small \Delta x^2 + \Delta y^2} $ であり、 $ o \left( \Delta r \right) $ の部分は、
を満たす。 また、 $\alpha$ と $\beta$ は、$x$ と $y$ に依存するが、 $\Delta x$ と $\Delta y$ とは独立な関数である。
  以下では、 $f(x,y)$ の偏微分 $f_{x}(x,y)$ と $f_{y}(x,y)$ が存在し、 それらが連続関数である場合には、 全微分可能であり、 $\alpha$ と $\beta$ が
となることを証明する。 すなわち、
と表せることを証明する。
証明
はじめに
と表し、 $f(x + \Delta x, y+ \Delta y) - f(x, y+ \Delta y) $ の部分に着目する。
  $f(x,y)$ が $x$ について偏微分可能であることから、 平均値の定理により、
を満たす $\theta_{x} $ $(0 < \theta_{x} < 1)$ が存在する。 これより、
と表せる。 ここで、 $\epsilon_{x}$ を
と定義すると、
と表せる。 ここで $\epsilon_{x}$ は、 $f_{x} $ が連続関数であることから、
が成り立つので、
という性質を持つ。 この性質は、 $\epsilon$ 論法によって次のように表される。 すなわち、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して
を満たす正の数 $\delta_{x}, \delta_{y}$ が存在する。 ここで、
と定義すると、 $ | \Delta x | \leq \Delta r $ であり、 $ | \Delta y | \leq \Delta r $ でもあるので、
が成り立つ。 ゆえに、
を満たす正の数 $\delta$ が存在する。 したがって、
が成り立つ。
  次に $(2)$ の $ f(x, y+ \Delta y) - f(x, y) $ の部分に着目する。 $f(x,y)$ が $y$ について偏微分可能であることから、 平均値の定理により、
を満たす $\theta_{y} $ $(0 < \theta_{y} < 1)$ が存在する。 これより、
と表せる。 ここで、 $\epsilon_{y}$ を
と定義すると、
と表せる。 ここで $\epsilon_{y}$ は、 $f_{y} $ が連続関数であることから、
が成り立つので、
という性質を持つ。 この性質は、 $\epsilon$ 論法によって次のように表される。 すなわち、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して
を満たす正の数 $\delta_{y}$ が存在する。 これと $ | \Delta y | \leq \Delta r $ であることから、
を満たす正の数 $\delta$ が存在することになる。 ゆえに、
が成り立つ。
  以上の $(2)$ $(3)$ $(5)$ から、
と表することができ、 $\epsilon_{x}$ と $\epsilon_{y}$ にはそれぞれ $(4)$ と $(6)$ が成り立つ。
  ここで、 最後の二項に着目すると、
を満たす。 書き換えると、
である。 ここで、 $(4)$ と $(6)$ から、
が成り立つので、 $(8)$ から、
を満たされる。 ゆえに、
と表せる ( $o (\Delta r)$ の定義については $(1)$ 付近を参考)。
  以上の $(7)$ と $(9)$ から、 $f(x, y)$ は全微分可能であり、
と表すことができる。