テイラー展開が可能な条件

  関数 $f(x)$ が区間 $( a-r, a+r )$ で無限回微分可能であり、 この区間の全ての $x$ において

テイラー展開が可能であるための条件00

を満たす連続関数 $g(x)$ があるとする。ここで $f^{(n)}$ は関数 $f$ の $n$ 回微分である。
  このとき $f(x)$ は $x=a$ でのテイラー展開が可能である。すなわち、

テイラー展開が可能であるための条件01
と表せる。
最終更新 2015年 9月27日


  証明

  区間 $(a-r, a+r)$ を $I$ と表す。 $f(x)$ が区間 $I$ において無限回微分可能であることから、 テイラーの定理によって、

テイラー展開が可能であるための条件02

を満たす $a$ と $x$ の間にある数 $\xi$ が存在する。
  $(1)$ の最後の項を

テイラー展開が可能であるための条件03

と表す。$R_{N}$ の絶対値は

テイラー展開が可能であるための条件04

である。
  右辺の $ |f^{(N)}(\xi)| $ に着目する。 $\xi$ は $x$ と $a$ の間の数であるので、 区間 $I$ に含まれる。 ゆえに、仮定 $(*)$ から

テイラー展開が可能であるための条件05

が満たす関数 $g(x)$ が存在する。
  $g(x)$ は、区間 $I$ で定義される連続関数であるので、$I$ に含まれる閉区間 $[a-\xi, a+\xi]$ においても連続関数である。 ゆえに $g(x)$ は、この閉区間の中に最大値を持つ。その最大値を $M$ とすると、$ g(\xi) \leq M $ であるので、$(4)$ から

テイラー展開が可能であるための条件05

である。
  これと $(3)$ から、

テイラー展開が可能であるための条件07

が成立する。
  $x$ は 区間 $I$ にあるので、$ a-r < x < a+r $ を満たすので、

テイラー展開が可能であるための条件08

が成立する。ゆえに $(5)$ から

テイラー展開が可能であるための条件09
が成立する。
  ここで数列 $a_{N}$ を $$ a_{N} = \frac{M r^{N}}{N!} $$ と定義すると、 $$ a_{N} = \frac{r}{N} a_{N-1} $$ の関係がある。 十分に大きな $N$ に対しては、$\frac{r}{N}<1$ であることから、 $N \rightarrow \infty $ の極限において、$a_{N}$ はゼロに収束する。 すなわち、 $$ \frac{M r^{N}}{N!} \rightarrow \hspace{1mm} 0 \hspace{5mm} (N \hspace{1mm} \rightarrow \hspace{1mm} \infty) $$
である。   これと $(6)$ から、$N \rightarrow \infty $ の極限において、$|R_{N}| \hspace{1mm} \rightarrow \hspace{1mm} 0$ である。よって $$ R_{N} \rightarrow \hspace{1mm} 0 \hspace{5mm} (N \hspace{1mm} \rightarrow \hspace{1mm} \infty) $$ が成立する。
  この関係により、$(1)$ から

\begin{eqnarray} \lim_{N \rightarrow \infty} f(x) &=& \lim_{N \rightarrow \infty} \left\{ \sum_{n=0}^{N-1} \frac{f^{(n)}(a)}{n!} (x-a)^{n} + R_{N} \right\} \\ \hspace{1mm} \\ &=& \lim_{N \rightarrow \infty} \sum_{n=0}^{N-1} \frac{f^{(n)}(a)}{n!} (x-a)^{n} \end{eqnarray}
を得る。
  左辺において、 $f(x)$ は $N$ に依らないので、 $\lim_{N \rightarrow \infty} f(x) = f(x)$ である。 よって、上の式は、 $$ f(x) = \lim_{N \rightarrow \infty} \sum_{n=0}^{N-1} \frac{f^{(n)}(a)}{n!} (x-a)^{n} $$ と表せる。
  右辺の極限を $$ \lim_{N \rightarrow \infty} \sum_{n=0}^{N-1} \frac{f^{(n)}(a)}{n!} (x-a)^{n} = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)}(a)}{n!} (x-a)^{n} $$ と略記することにより、 $$ f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)}(a)}{n!} (x-a)^{n} $$ と表せる。これは、$(*2)$ そのものである。








ページのトップへ戻る