負の二項分布の分散の求め方  

最終更新 2018年 3月29日
  確率変数 $X$ が負の二項分布に従うとき、 すなわち、 $X=x$ $(x=0,1,\cdots)$ となる確率が
負の二項分布
であるとき、 $X$ の分散 $V(X)$ は、
負の二項分布の分散
である。

  証明

  一般に分散 $V(X)$ は二乗期待値 $E(X^{2})$ と期待値 $E(X)$ の二乗に等しい。 すなわち、
が成り立つ。
  確率変数 $X$ が負の二項分布
に従うとき、 期待値 $E(X)$ は、
負の二項分布の期待値
である。 これらより、
である。
  二乗期待値は、
であるが、
であることを用いると、
と表せる。 ここで第二項は期待値そのものであるので、
である。 よって、
と表せる。 この式と $(1)$ から、
と表せる。
  ここで和の部分は、 $x=0$ の項と $x=1$ の項が $0$ になるので、 $x=2$ から始まる和で表してもよい、 すなわち、
と表してもよい。 また、 確率分布が負の二項分布であることから、
と表せる。 ここで組み合わせ記号の定義から、
であることを用いると、
と表せるが、 $2$ から始まる総和の部分を $0$ から始まるように書き直せば、
である。
  ここで一般に $-1 < y < 1$ において
が成立していること (証明は負の二項部分で現れる整級数を参考) を用いると、
であることが分かる。 これより、
を得る。
例と解釈:
$k=3$ の場合のグラフを記す。 $p=0.5$ (青線) の場合と $p=0.25$ (赤線) の場合がプロットされている。
負の二項分布の図
$ p=0.5 $ の場合、 分散は、
である。
  一方、 $ p=0.25 $ の場合、 分散は、
である。
  この結果は次のように解釈できる。 負の二項分布とは、 成功と失敗のあるテストを行って、 そのテストが 「$k$ 回成功するまでに $x$ 回失敗する確率」を表している。 従って、 負の二項分布の分散とは、 決められた回数だけ成功するまでに起こる失敗回数のバラつき(広がり)を表している。
  ゆえに、 $p=0.5$ のとき $V(X)=6$、 $p=0.25$ のとき $V(X)=36$ であるということは、 成功確率の低いのテストの方が、 失敗回数のバラつきが大きくなることを表している。 例えば、 コイン投げにおいて表が出たことを成功とする場合、 成功確率が $0.5$ である歪みのないコインを投げる場合よりも、 成功確率が $0,25$ である歪みのあるコインを投げる方が、 それまでに起こる失敗回数に大きなバラつきが現れることを表している。