解答例
連立一次方程式
の拡大係数行列は、
である。
この行列を
行基本変形によって
簡約化すると、
である。これより、
を得るので、$(3)$ の解は、
と表される。
$x_{4}$ がどんな値であってもよいので、
解には任意性がある。すなわち、解は唯一つではない (
補足参)。
例えば、$x_{4}=1$ の場合には、
$x_{1} = 2$、$x_{2} = 5$、$x_{3}=1$ であり、
一方で、$x_{4} = 9$ の場合には、
$x_{1} = -3$、$x_{2} = 22$、$x_{3}=-2$ である。
これらの例の両方が $(3)$ の解であることは、
直接代入することによって確かめられる。
解答例
連立一次方程式
の拡大係数行列は、
である。
この行列を
行基本変形によって
簡約化すると、
である。
これより、
を得るので、$(4)$ の解は、
と表される。
$x_{3}$ と $x_{4}$ がどんな値であってもよいので、
解には任意性がある。すなわち、解は唯一つではない (
補足参)。
例えば、$x_{3}=1$、$x_{4}=-1$ の場合には、
$x_{1} = 3/5$、$x_{2} = 9/5$、であり、
一方で、$x_{3}=-1$、$x_{4}=2$ の場合には、
$x_{1} = -2/5$、$x_{2} = -11/5$ である。
これらの例の両方が $(1)$ の解であることは、
直接代入することによって確かめられる。
このように、変数の数と式の数が等しくても、解が唯一つに定まるとは限らない。
補足:
解を持つための必要十分条件は
係数行列の
ランクと拡大係数行列の
ランクが等しいことであり、
解が唯一つだけになる必要十分条件は
係数行列の
ランクが係数行列の列の数に等しいことである。
問題 $(1)$ を見てみると、
拡大係数行列のランクが $4$ であり、係数行列のランクも $4$ であるため、
拡大係数行列のランクと係数行列のランクが等しい。
よって、$(1)$ は解を持つ。
また、係数行列の列の数が $4$ であるので、
係数行列の列の数が拡大係数行列のランクに等しい。
よって、$(1)$ は唯一つの解を持つ。
問題 $(2)$ を見てみると、
拡大係数行列のランクが $3$ であり、係数行列のランクも $3$ であるため、
拡大係数行列のランクと係数行列のランクが等しい。
よって、$(2)$ は解を持つ。
また、係数行列の列の数が $3$ であるので、
係数行列の列の数と拡大係数行列のランクに等しい。
よって、$(2)$ は唯一つの解を持つ。
問題 $(3)$ を見てみると、
拡大係数行列のランクが $3$ であり、係数行列のランクも $3$ であるため、
拡大係数行列のランクと係数行列のランクが等しい。
よって、$(3)$ は解を持つ。
また、係数行列の列の数が $4$ であるので、
係数行列の列の数と拡大係数行列のランクが等しくない。
よって、$(3)$ は無数の解を持つ (解が不定である)。
問題 $(4)$ を見てみると、
拡大係数行列のランクは $2$ であり、係数行列のランクも $2$ であるため、
拡大係数行列のランクと係数行列のランクが等しい。
よって、$(4)$ は解を持つ。
また、係数行列の列の数が $4$ であるので、
係数行列の列の数と拡大係数行列のランクが等しくない。
よって、$(4)$ は無数の解を持つ (解が不定である)。
問題 $(5)$ を見てみると、
拡大係数行列のランクが $3$ であり、係数行列のランクが $2$ であるため、
拡大係数行列のランクと係数行列のランクが等しくない。
よって、$(5)$ は解を持たない(不能)。
問題 $(6)$ を見てみると、
拡大係数行列のランクが $3$ であり、係数行列のランクが $2$ であるため、
拡大係数行列のランクと係数行列のランクが等しくない。
よって、$(6)$ は解を持たない(不能)。