半正定値行列の満たす諸性質と証明

最終更新 2017年 9月11日

  半正定値行列の定義

  任意のベクトル $\mathbf{x}$ に対して、 実対称行列 $P$ が
半正定値行列の定義
を満たすとき、 $P$ を半正定値行列 (positive semi-definite matrix) という。

  半正定値行列の固有値

  $P$ を半正定値行列、 $\lambda$ を $P$ の固有値、 $\mathbf{x}_{\lambda}$ を固有値 $\lambda$ を持つ固有ベクトルとするとき、 すなわち、
とするとき、
半正定値行列の固有値
である。
  つまり、 半正定値行列の固有値は $0$ 以上である。
半正定値行列の固有値の証明はこちら

  半正定値行列の分解

  任意の半正定値行列 $P$ は、 正方行列 $Q$ とその転置行列 $Q^{T}$ によって、
半正定値行列の分解
と分解することが出来る。
半正定値行列の分解の証明はこちら

  半正定値行列の同値条件

  実対称行列 $P$ に対して、 上の $(1)(2)(3)$ は、同値である。
証明:
● $(1) \Longrightarrow (2)$ は、半正定値行列の固有値を参考。
● $(2) \Longrightarrow (3)$ は、半正定値行列の分解 を参考。
● $(3) \Longrightarrow (1)$
  $P=Q^{T}Q$ と表されるならば、任意のベクトル $\mathbf{x}$ に対して、  
半正定値行列の同値条件
が成り立つ。 2行目の等号では内積と転置行列の関係を用いた。
  以上から $(1)(2)(3)$ は、同値である。

  半正定値行列のトレース

  半正定値行列 $P$ のトレースは 0 以上である。 すなわち
半正定値行列のトレース
である。

  トレースが $0$ の半正定値行列は $0$

  半正定値行列 $P$ のトレースが $0$ であるならば、 $P$ も $0$ である。 すなわち、
半正定値行列が0になる条件
である。