関連

  斜交座標系でベクトルを表す方法

  基底 $\{\mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \mathbf{e}_{3} \}$ によって、

斜交座標系でベクトルを表す方法00

と表される3次元ベクトル $\mathbf{x}$ を、斜交座標系の基底 $\{\mathbf{a}_{1}, \mathbf{a}_{2}, \mathbf{a}_{3} \}$ によって

斜交座標系でベクトルを表す方法01

と表したとき、各成分 $x_{1}^{a}, x_{2}^{a}, x_{3}^{a}$ は、

斜交座標系でベクトルを表す方法02

である。
  ここで、$A_{ij}$ は、斜交座標系の基底 $\{\mathbf{a}_{1}, \mathbf{a}_{2}, \mathbf{a}_{3} \}$ を もとの基底 $\{\mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \mathbf{e}_{3} \}$ によって表したときの係数

斜交座標系でベクトルを表す方法03

である。 また、$|A|$ は、$A_{ij}$ を行列で表したときの行列式である。
最終更新 2016年 4月24日


  証明

  $\{\mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \mathbf{e}_{3} \}$ を 3次元座標系の基底とする。 具体例としては、

斜交座標系でベクトルを表す方法04

である。 だが、 必ずしもこのような正規直交基底である必要はなく、 一般の斜交座標の基底である場合にも、 以下の議論は成立する。
  3次元ベクトル $\mathbf{x}$ は、 基底 $\{\mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \mathbf{e}_{3} \}$ によって、

斜交座標系でベクトルを表す方法05

と表される(下図の左側)。 これを斜交座標系の基底 $\{\mathbf{a}_{1}, \mathbf{a}_{2}, \mathbf{a}_{3} \}$ によって、

斜交座標系でベクトルを表す方法06

と表した時の係数 $ x_{1}^{a}, x_{2}^{a}, x_{3}^{a}$ を求めたい(下図の右側)。

斜交座標系でベクトルを表す方法の図00

  $\{\mathbf{a}_{1}, \mathbf{a}_{2}, \mathbf{a}_{3} \}$ のそれぞれもまた 3次元ベクトルであるから、 基底 $\{\mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \mathbf{e}_{3} \}$ の線形結合によって表すことが出来る。 すなわち、

斜交座標系でベクトルを表す方法07

と表される。 これを $(2)$ に代入すると、

斜交座標系でベクトルを表す方法08

である。
  $(1)$ と $(4)$ は、ともにベクトル $\mathbf{x}$ を基底 $\{\mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \mathbf{e}_{3} \}$ の線形結合で表した式である。 一般に、線形独立なベクトルによる線形結合の係数は唯一つであることから、 $(1)$ と $(4)$ のそれぞれの係数は等しいことが分かる。 すなわち、

斜交座標系でベクトルを表す方法09

が成立する。
  行列で表すと、

斜交座標系でベクトルを表す方法10

である。 ここで、 行列 $A$ を

斜交座標系でベクトルを表す方法11

と定義すると、

斜交座標系でベクトルを表す方法12

であるので、 $(5)$ は、

斜交座標系でベクトルを表す方法13

と表せる。
  下の補足で示すように、 行列 $A^{T}$ は、 逆行列 $(A^{T})^{-1}$ を持つ。 そこで、 $(7)$ の両辺に逆行列 $(A^{T})^{-1}$ を掛けると、

斜交座標系でベクトルを表す方法14

となる。 このように斜交座標系で表したときの成分 $x_{1}^{a}, x_{2}^{a}, x_{3}^{a}$ は、 $(3)$ と $(6)$ で定義される行列 $A^{T}$ の逆行列から求められる。
  $A^{T}$ の逆行列 $(A^{T})^{-1}$ の成分を具体的に表すと、

斜交座標系でベクトルを表す方法15

である。 (導出方法は、3行3列の逆行列 を参考。 また、$A$ ではなく $A^{T}$ の逆行列を求めていることに注意)。
  ここで、$|A^{T}|$ は、$A^{T}$ の行列式であるが、 転置行列の行列式は、もとの行列の行列式に等しいこと

斜交座標系でベクトルを表す方法16

が成立するので、

斜交座標系でベクトルを表す方法17

である。
  以上から

斜交座標系でベクトルを表す方法18

を得る。


 補足 :
  $\{\mathbf{a}_{1}, \mathbf{a}_{2}, \mathbf{a}_{3} \}$ は、 基底を成すので、 互いに線形独立である。 よって、

斜交座標系でベクトルを表す方法19

であるならば、

斜交座標系でベクトルを表す方法20

が成立する。
  $(9)$ に $(3)$ を代入して、 $\{\mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \mathbf{e}_{3} \}$ と表せるが、これを整理すると、

斜交座標系でベクトルを表す方法21

となる。
  ここで、 $\{\mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \mathbf{e}_{3} \}$ は、 線形独立なので、 各係数は 0 である。 すなわち、

斜交座標系でベクトルを表す方法22

が成立する。 これを行列で表すと、

斜交座標系でベクトルを表す方法23

である。 $(6)$ を用いると、 これは、

斜交座標系でベクトルを表す方法24

と表せる。 よって、 $(9)$ と $(10)$ は、

斜交座標系でベクトルを表す方法25

ならば、

斜交座標系でベクトルを表す方法26

が成立する、と言い表される。
  このことは、 係数行列が $A^{T}$ である同次連立一次方程式 $(11)$ の解が、 自明な解 $(12)$ のみであることを表している。
  一般に、 自明な解のみを持つ同次連立一次方程式の係数行列は、逆行列を持つので、 $A^{T}$ には、 逆行列 $(A^{T})^{-1}$ が存在する。








ページのトップへ戻る