次元と同じ数だけある線形独立なベクトルは基底になる

  $n$ 次元ベクトル空間 $V$ に含まれる $n$ 個の互いに線形独立なベクトル

次元と同数の線形独立なベクトルは基底00

は、 $V$ の基底になる。
最終更新 2016 年 8 月 15日


  証明

  $n$ 個のベクトル

次元と同数の線形独立なベクトルは基底01

が、 $n$ 次元ベクトル空間 $V$ のベクトルであり、 互いに線形独立であるとする。
  $V$ の任意の基底

次元と同数の線形独立なベクトルは基底02

とすると、 $(1)$ は $V$ のベクトルであるので、 これらの線形結合によって表すことができる。 すなわち、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底03

と表せる。 ここで、 $C_{ij}$ は、 線形結合の係数である。
  係数 $C_{ij}$ によって、 ベクトル $\mathbf{c}_{1}, \mathbf{c}_{2}, \cdots, \mathbf{c}_{n}$ を

次元と同数の線形独立なベクトルは基底04

と定義し、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底05

を仮定する。 成分で表すと、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底06

である。 これより、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底07

が成立する。 この式を整理すると、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底08

となる。
  この式は、 $(3)$ から、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底09

と表せる。
  $(1)$ が互いに線形独立なので、 $(5)$ から、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底10

が成立する。 以上から、 $(4)$ を仮定して、 $(6)$ が成立するので、 $\mathbf{c}_{1}, \mathbf{c}_{2}, \cdots, \mathbf{c}_{n}$ は、 互いに線形独立なベクトルである。
  そこで、 これらを用いて、 行列 $C$ を

次元と同数の線形独立なベクトルは基底11

と定義すると、 $C$ は列ベクトルが互いに線形独立な行列になるので、 逆行列 $C^{-1}$ を持つ(証明は「行列が正則行列 ⇔ 列ベクトルが線形独立」を参考)。
  また、 $C$ を用いると、 $(3)$ を

次元と同数の線形独立なベクトルは基底12

とまとめて表すことが出来る。 これらより、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底13

が成立する。
  ここで、 $C^{-1}$ の各成分を

次元と同数の線形独立なベクトルは基底14

とすると、 $(8)$ から

次元と同数の線形独立なベクトルは基底15

が成立する。 よって、 基底 $\{ \mathbf{v}_{i} \}$ は、 $\{ \mathbf{w}_{i} \}$ の線形結合によって表される。
  さて、 $\{ \mathbf{v}_{i} \}$ は $V$ の基底であるので、 $V$ の任意のベクトル $\mathbf{x}$ を線形結合によって、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底16

のように表すことができる。 これに $(9)$ を代入して整理すると、

次元と同数の線形独立なベクトルは基底17

となる。
  よって、 ベクトル空間 $V$ の任意のベクトル $\mathbf{x}$ は、 $\{ \mathbf{w}_{i} \}$ の線形結合によって表される。

  以上まとめると、 $n$ 次元ベクトル空間 $V$ の任意のベクトルは、 $V$ に含まれる $n$ 個の互いに線形独立なベクトル $\{ \mathbf{w}_{i} \}$ の線形結合によって表される。 ゆえに、 $\{ \mathbf{w}_{i} \}$ は、 $V$ の基底を成す。





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