線形結合で構成されるベクトルの組の次元

  ベクトルの組

線形結合で表されるベクトルの次元00

線形結合で表されるベクトルの次元01

があるとき、 $X$ の中から最大で $d$ 個まで線形独立なベクトルを選択できるとする。
  このとき、$Y$ に属する任意のベクトルが $X$ に属するベクトルの線形結合で表されるならば、 すなわち、

線形結合で表されるベクトルの次元02

$(j=1,2,\cdots,m)$ と表されるならば、 $Y$ の中から線形独立なベクトルを選択すると、 最大でも $d$ 個までしか選択しかできない。
  あるベクトルの組から選択されうる線形独立なベクトルの最大数とは、 その組の線形結合によって構成されるベクトル空間の次元であるので、 上の定理は次のように言い表される。すなわち、

  「$Y$ が $X$ の線形結合によって表され、 $X$ の次元が $d$ であるならば、 $Y$ の次元は $d$ 以下である。」

最終更新 2016 年 5月 3日


  証明

  $X$ から最大で $d$ 個の線形独立なベクトルを選択できる仮定したので、 そのように選択したベクトルを

線形結合で表されるベクトルの次元03

と表す。 $X$ には、この $(1)$ を除くベクトルが $n-d$ 個あるが、 それらは必ず $(1)$ の線形結合によって表される (もしも表されないものがあるとすると、$(1)$ にそれを加えたベクトルが線形独立になるので、 線形独立なベクトルが $d$ 個であることに反する)。
  よって、$X$ の任意のベクトルは、

線形結合で表されるベクトルの次元04

と表される。ここで $(i=1,2,\cdots,n)$ である。 これを $(*)$ に代入すると、

線形結合で表されるベクトルの次元05

と表される。 ここで現れた係数を

線形結合で表されるベクトルの次元06

と定義すると、

線形結合で表されるベクトルの次元07

と表される。
  ここで、$Y$ から任意に $t$ 個のベクトルを選択し、 線形結合が 0 であるとする。

線形結合で表されるベクトルの次元08

ただし、$t \geq d+1$ とする。
  $(2)$ を用いると、この関係は、

線形結合で表されるベクトルの次元09

と表される。さらに $\mathbf{x}_{k_{l}}$ についてまとめることにより、

線形結合で表されるベクトルの次元10

と表される。
  $\mathbf{x}_{k_{1}}, \mathbf{x}_{k_{2}}, \cdots, \mathbf{x}_{k_{d}}$ は線形独立であるので、 各係数は 0 である。すなわち、

線形結合で表されるベクトルの次元11

が成立する。ここで、行列 $G$ とベクトル $\mathbf{c}$ を

線形結合で表されるベクトルの次元12

とすると、$(4)$ は、

線形結合で表されるベクトルの次元13

と表される同次連立一次方程式である。
  従って、解 $ \mathbf{c}$ は、行列 $G$ の列の数とランクの差

線形結合で表されるベクトルの次元14

の数だけ線形独立なベクトルを線形結合した形で表される(同次連立一次方程式の解空間の次元を参考)。 よって

線形結合で表されるベクトルの次元15

のように表される。 ここで、 $\mathbf{c}_{1},\mathbf{c}_{2}, \cdots \hspace{1mm} \mathbf{c}_{t - \mathrm{rank}(G)}$ は、線形独立なベクトルである。 また、 $G$ は、$d$ 行の行列であるので、$G$ のランクは、$d$ 以下であり、 $t$ は $d+1$ 以上であるので、$t - \mathrm{rank}(G) > 0$ である。
  $(5)$ において、それぞれの $\mathbf{c}_{j}$ はゼロベクトルではないので、$\mathbf{c}$ にはゼロでない解が含まれる。 よって、 条件 $(3)$ が成立する場合に、

線形結合で表されるベクトルの次元16

ではない $c_{1}, c_{2}, \cdots , c_{n}$ が存在することが示された。
  したがって、

線形結合で表されるベクトルの次元17

線形独立ではない。
  以上から、 $Y$ から $d+1$ 個以上のベクトルを選択すると、 それらは線形独立にはならないことが示された。 言いかえると、 $Y$ から線形独立なベクトルを選択しても最大でも $d$ 個までである。








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