平面と直線の交点の求め方
平面と直線の交点 ~公式と証明~
法線ベクトルが
$\mathbf{n}$ で
符号付き距離が $h$ の平面は
と表される。ここで $(\cdot, \cdot)$ は
標準内積を表す記号である。
一方、位置 $\mathbf{x}_{0}$ が通り、
$ \mathbf{m}$ を方向ベクトルとする直線は
と表される。
ここで $t$ は直線のパラメータである。
このとき、平面と直線の交点は
である。
証明
平面と直線の交点の位置を $\mathbf{x}$ とすると、
この点は、直線上にあり、なおかつ、平面上にある点である。
したがって、$\mathbf{x}$ は、
$$
\tag{1}
$$
の両方の方程式を満たす。
これらより、
が成り立つので、
$$
\tag{2}
$$
と $t$ が求まる。
これと $(1)$ から交点の位置は、
である。
補足:
$(2)$ を求めるときに、$(\mathbf{n}, \mathbf{m})\neq 0$ を仮定したが、
そうでない場合、すなわち、
$$
(\mathbf{n}, \mathbf{m})= 0
$$
の場合には、平面と直線は交差しない。
これは、平面の法線ベクトルと直線の向きが直交するならば、すなわち、平面と直線が平行であるならば、
平面と直線が交差しないことを表している。
具体例
$(1)$
点 (1,0,0) を通り、方向ベクトルが (0,0,1) の直線と
平面 $z=1$ との交点を求めよ。
$(2)$
原点を通り、方向ベクトルが $\frac{1}{\sqrt{3}}(1,1,1)$ の直線と
平面 $z=1$ との交点を求めよ。
解答例
(1)
点 (1,0,0) を通り、方向ベクトルが (0,0,1) の直線上の点は、
と表される。ここで $t$ はパラメータである。
平面 $z=1$ は
と表される。
ここで $(\cdot, \cdot)$ は
標準内積を表す記号である。
これらと
公式を用いると、
と交点の位置が求まる。
(2)
原点 $(0,0,0)$ を通り、方向ベクトルが $\frac{1}{\sqrt{3}}(1,1,1)$ の直線上の点は、
と表される。ここで $t$ はパラメータである。
平面 $z=1$ は
と表される。
ここで $(\cdot, \cdot)$ は
標準内積を表す記号である。
これらと
公式を用いると、
と交点の位置が求まる。