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  グラム・シュミットの直交化

  $\mathbf{x}_{1}, \mathbf{x}_{2}, \cdots, \mathbf{x}_{n}$ を互いに線形独立なベクトルとし、 $\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{n}$ を次のように定義する。

グラムシュミット直交化00

こうすると、$\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{n}$ は互いに直交する大きさ 1 のベクトルになる。
  これをグラムシュミットの直交化法 (Gram-Schmidt orthonormalization) という。

最終更新 2015 年 8 月 11日


  証明

  $(1)$ のように $\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{n}$ を定義する。これは

グラムシュミット直交化01

とまとめられる。ここで $(k=1,2,\cdots,n)$ である。また、$\mathbf{y}_{1} = \mathbf{x}_{1}/\|\mathbf{x}_{1} \|$ とする。

グラムシュミット直交化02

が成立するので、$\mathbf{y}_{k}$ は大きさ 1 のベクトルである。
  これより、

グラムシュミット直交化03

が成立する。よって $\mathbf{y}_{1}$ と $\mathbf{y}_{2}$ は互いに直交する。
  ここで、 $\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{k}$ が互いに直交すると仮定すると、 $1\leq m \leq k$ に対して、

グラムシュミット直交化05

が成立するので、$\mathbf{y}_{k+1}$ は、$\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{k}$ のいずれとも直交する。 よって、$\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{k+1}$ は互いに直交する。
  $\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{k}$ が互いに直交すると仮定して、 $\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{k+1}$ が互いに直交することが示されたので、 帰納法によって、$\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{n}$ が互いに直交することが示される。

  以上まとめると、互いに線形独立なベクトル $\mathbf{x}_{1}, \mathbf{x}_{2}, \cdots, \mathbf{x}_{n}$ から $\mathbf{y}_{1}, \mathbf{y}_{2}, \cdots, \mathbf{y}_{n}$ を $(1)$ によって定義すると、これらは互いに直交する大きさ 1 のベクトルの集合 (正規直交系) になる。


  2次元の例

  下図は、2次元平面上の線形独立なベクトル $\mathbf{x}_{1}$ と $\mathbf{x}_{2}$ からグラムシュミットの直交化法によって、 直交するベクトル $\mathbf{y}_{1} $ と $ \mathbf{y}_{2}$ が生成される様子を表している。

グラムシュミット直交化の図00

  ベクトル $\mathbf{y}_{1}$ は、 $ \mathbf{y}_{1} = \frac{\mathbf{x}_{1}}{\|\mathbf{x}_{1} \|} $ によって定義されるので、$\mathbf{x}_{1}$ と同じ方向を向く大きさ 1 のベクトルである。
  また、 $ (\mathbf{y}_{1}, \mathbf{x}_{2}) \mathbf{y}_{1} $ は、$\mathbf{x}_{2}$ の $\mathbf{y}_{1}$ 上への射影である(従って、$\mathbf{x}_{1}$ 軸上への射影である)。 その射影を $\mathbf{x}_{2}$ から引いたもの

グラムシュミット直交化06

は、射影から $\mathbf{x}_{2}$ に向けた垂線の方向を向くベクトルであるので、 $\mathbf{y}_{1}$ と直交する(従って $\mathbf{x}_{2}$ とも直交する)。
  $\mathbf{y}_{2}$ は、そのベクトルを大きさ 1 にしたものである。








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