差分商のもう一つの表現

最終更新 2016年 10月1日
  関数 $f(x)$ の $x=x_{0}, x_{1}, \cdots , x_{n}$ に関する $n$ 階の差分商は、
差分商のもう一つの表現
と表すことができる。

  証明

差分商の定義 (準備)
  階数の小さい差分商から順に定義して行く。
  $x = x_{0}, x_{1}$ に関する $1$ 階の差分商 $f(x_{0}, x_{1})$ は、
差分商のもう一つの表現01
と定義される。 式から分かるように、 $1$ 階の差分商は、$2$ 点
差分商のもう一つの表現02
の間を結ぶ直線の傾きである。
  $x = x_{0}, x_{1}, x_{2}$ に関する $2$ 階の差分商 $f(x_{0}, x_{1}, x_{2})$ は、 $1$階の差分商 $f(x_{0}, x_{1})$ と $1$ 階の差分商
差分商のもう一つの表現03
によって、
差分商のもう一つの表現04
と定義される。 すなわち、 2 階の差分商とは、 1 階の差分商の差分商である。
  同じように、 $x = x_{0}, x_{1}, \cdots, x_{n}$ に関する $n$ 階の差分商 $f(x_{0}, x_{1},\cdots,x_{n})$ は、 $n-1$ 階の差分商 $ f(x_{0}, x_{1},\cdots,x_{n-1}) $ と $ f(x_{1}, x_{2},\cdots,x_{n}) $ によって、
差分商のもう一つの表現05
と定義される。 すなわち、 n 階の差分商とは、 n-1 階の差分商の差分商である。


帰納法による証明
  帰納法によって、
差分商のもう一つの表現06
を証明する。 ここで、$\prod_{i=0 | i \neq s}^{n} (x_{s}-x_{i})$ $(s=0,1,\cdots,n)$ とは、 $i = s$ の場合を除いた $ (x_{s}-x_{i})$ の積を表す。 すなわち、
差分商のもう一つの表現07
である。
  $n=1$ の場合、 差分商の定義より、
差分商のもう一つの表現08
であるため、 $(1)$ が成立する。
  $n=k$ において、 $(1)$ が成立すると仮定する。 すなわち、
差分商のもう一つの表現09
が成立すると仮定する。
  このとき、 差分商の定義から
差分商のもう一つの表現10
であるが、 $(2)$ を使うことにより、

差分商のもう一つの表現11

と表せる。
  $(3)$ の第一項は、
差分商のもう一つの表現12
と表せる。
  また、 $(3)$ の第二項は、
差分商のもう一つの表現13
である。
  以上から、 $(3)$ は、
差分商のもう一つの表現14
と表せる。 よって、 $n=k+1$ もまた $(1)$ が成立する。
  ゆえに、 帰納法によって、 $(1)$ が成立することが示された。