差分商の積に関するライプニッツの公式

最終更新 2016年 10月29日
  関数 $f(x)$ が関数 $g(x)$ と $h(x)$ の積によって
差分商の積に関するライプニッツの公式00
と表されるとき、 $f(x)$ の $x = x_{0}, x_{1}, \cdots, x_{n}$ を基礎とする $n$ 階の差分商 $f(x_{0}, x_{1}, \cdots, x_{n})$ は、 $g$ と $h$ の差分商によって、
差分商の積に関するライプニッツの公式01
と表される。

  解説

差分商の定義 (準備)
  $x = x_{0}, x_{1}$ を基礎とする $1$ 階の差分商 $f(x_{0}, x_{1})$ は、
差分商の積に関するライプニッツの公式02
と定義される。 式から分かるように、

$1$ 階の差分商は、$2$ 点
差分商の積に関するライプニッツの公式03
の間を結ぶ直線の傾きである。
  $x = x_{0}, x_{1}, x_{2}$ を基礎とする $2$ 階の差分商 $f(x_{0}, x_{1}, x_{2})$ は、 $1$階の差分商 $f(x_{0}, x_{1})$ と $1$ 階の差分商
差分商の積に関するライプニッツの公式04
によって、
差分商の積に関するライプニッツの公式05
と定義される。 すなわち、 2 階の差分商とは、 1 階の差分商の差分商である。
  同じように、 $x = x_{0}, x_{1}, \cdots, x_{n}$ を基礎とする $n$ 階の差分商 $f(x_{0}, x_{1},\cdots,x_{n})$ は、 $n-1$ 階の差分商 $ f(x_{0}, x_{1},\cdots,x_{n-1}) $ と $ f(x_{1}, x_{2},\cdots,x_{n}) $ によって、
差分商の積に関するライプニッツの公式06
と定義される。 すなわち、 n 階の差分商とは、 n-1 階の差分商の差分商である。


ニュートンの差分商補間公式 (準備2)
  $x= x_{0}, x_{1}, \cdots, x_{n}$ を基礎とする関数 $f(x)$ の差分商補間公式 $f_{n}(x)$ は、
差分商の積に関するライプニッツの公式07
である(ニュートンの差分商補間公式の証明を参考)。
  差分商補間公式には、 次のような表現方法もある。
差分商の積に関するライプニッツの公式08
(これについては、 ニュートンの差分商補間公式補足を参考)


証明
  関数 $f(x)$ が関数 $g(x)$ と $h(x)$ の積によって
差分商の積に関するライプニッツの公式09
と表されるとする。
  関数 $g(x)$ に対する $x= x_{0}, x_{1}, \cdots, x_{n}$ を基礎とする差分商補間公式 $g_{n}(x)$ は、 $(1)$ と同様に
差分商の積に関するライプニッツの公式10
と表される。 ここで、 $\sum^{n}_{i=0}$ に含まれる $i=0$ の場合の項は、 $g(x_{0})$ であるとした。
  関数 $h(x)$ に対する $x= x_{0}, x_{1}, \cdots, x_{n}$ を基礎とする差分商補間公式 $h_{n}(x)$ は、 $(2)$ と同様に
差分商の積に関するライプニッツの公式11
と表される。 ここで、 $\sum^{n}_{j=0}$ に含まれる $j=n$ の場合の項は、 $h(x_{n})$ であるとした。
  $g_{n}(x)$ と $h_{n}(x)$ の積を $l(x)$ と定義する。 すなわち、
差分商の積に関するライプニッツの公式12
と定義する。
  ここで、 総和 $\sum^{n}_{i,j=0} $ は、 $i \leq j$ を満たす項の総和と $i > j$ を満たす項の総和に分けて、
差分商の積に関するライプニッツの公式13
を定義すると、
差分商の積に関するライプニッツの公式14
と表せるが、 $ l_{i > j} (x)$ 和は、 $x=x_{0}, \cdots x_{n}$ のときに $0$ になる。 なぜなら、 $ l_{i > j} (x) $ の各項には必ず
差分商の積に関するライプニッツの公式15
が含まれるからである。 よって、
差分商の積に関するライプニッツの公式16
が $k=0,1,\cdots, n$ に対して成立する。
  一方で $(4)$ から、 $l(x_{k}) $ は、
差分商の積に関するライプニッツの公式17
であるが、 $g_{n}(x)$ と $h_{n}(x)$ がそれぞれ $x=x_{0},\cdots, x_{n}$ を基礎とする関数 $g(x)$ と $h(x)$ の差分商補間公式であることから、 基礎とする点の上では、もとの関数 $g(x)$ と $h(x)$ に等しくなる。 すなわち、
差分商の積に関するライプニッツの公式18
が成立する(この点については「ニュートンの補間公式はデータ点を通る」を参考)。
  これより、 $(3)$ $(4)$ $(6)$ から
差分商の積に関するライプニッツの公式19
が成立する。
  ところで、 関数 $f(x)$ の $x=x_{0},\cdots, x_{n}$ を基礎とする差分商補間公式 $(1)$ もまた、 基礎とする点の上では、もとの関数 $f(x)$ に等しいので
差分商の積に関するライプニッツの公式20
が成立する。 よって、 $(7)$ から
差分商の積に関するライプニッツの公式21
である。
  また、 定義 $(1)$
差分商の積に関するライプニッツの公式22
をよく見てみると、 $f_{n}(x)$ は、$n$ 次多項式であることが分かる。 一方、 定義 $(5)$
差分商の積に関するライプニッツの公式23
を見てみると、 $l_{i \leq j} (x)$ もまた $n$ 次多項式であることが分かる ($i=j$ の項が $n$ 次式になる)。
  従って、 $f_{n}(x)$ と $l_{i \leq j} (x)$ は、 共に $n$ 次多項式であり、 $x = x_{0},x_{1},\cdots,x_{n}$ において同一の点を通る関数である (なぜならば $(8)$)。 一般に、 $n+1$ 個の点を通る $n$ 次多項式は一つしかないので、 ゆえに、 $f_{n}(x)$ と $l_{i \leq j} (x)$ は、 同一の関数であることが分かる。 すなわち、
差分商の積に関するライプニッツの公式24
が成立する。 よって、 両辺の $x^{n}$ の係数を比較することにより、
差分商の積に関するライプニッツの公式25
が示される。


補足
  $x = x_{t}, x_{t+1}, \cdots, x_{t+n}$ を基礎とする $n$ 階の差分商 $f(x_{t}, x_{t+1}, \cdots, x_{t+n})$ は、 $g$ と $h$ の差分商によって、
差分商の積に関するライプニッツの公式26
と表される。 上と全く同じ方法で証明出来る。