円柱座標 による発散 (Divergence) の表現  

最終更新 2018年 4月17日
  ベクトル場 $\mathbf{E}$ の発散 $\nabla \cdot \mathbf{E}$ の円柱座標系 $(r, \theta, z)$ による表現は、
円柱座標 による発散 (Divergence) の表現
である。
  ここで $(E_{r}, E_{\theta}, E_{Z})$ は、 $\mathbf{E}$ の円柱座標成分である。

  証明

準備
  ベクトル場 $\mathbf{E}$ の発散の定義は、
である。 ここで $E_{X}, E_{Y}, E_{Z}$ はそれぞれ $\mathbf{E}$ の $X,Y,Z$ 成分であり、 円柱座標の関数として表されているものとする。 すなわち、
とする。
  デカルト座標 $(X, Y, Z)$ と円柱座標の間には、
の関係があり、 これより
が成り立つ。 このように 円柱座標はデカルト座標の関数である。 よって、 円柱座標の関数 $E_{X}, E_{Y}, E_{Z}$ は、 その円柱座標がデカルト座標の関数であるという合成関数である。 すなわち、
と表される合成関数である。
  したがって、 合成関数の微分の連鎖率(チェーンルール)を用いると、 $(1)$ に含まれる微分のそれぞれは、
と表される。 これより発散は、
と表される。
  よって、 発散を円柱座標で表すためには、 ベクトル $\mathbf{E}$ のデカルト座標成分 $E_{X}, E_{Y}, E_{Z}$ と円柱座標成分の関係を求める必要がある。
ベクトル場 $\mathbf{E}$ の円柱座標による表現
  デカルト座標の基底ベクトル(単位ベクトル)を $\{ \mathbf{e}_{X}, \mathbf{e}_{Y}, \mathbf{e}_{z} \}$ とすると、 ベクトル場 $\mathbf{E}$ は、
と表される。
  一方で 円柱座標の基底ベクトル(単位ベクトル)を $\{ \mathbf{e}_{r}, \mathbf{e}_{\theta}, \mathbf{e}_{z} \}$ とし、 $\mathbf{E}$ の円柱座標成分を $E_{r}, E_{\theta}, E_{z}$ と表すことにすると、 $\mathbf{E}$ は、
と表される。
  前者は $\mathbf{E}$ のデカルト座標系による表現であり、 後者は 円柱座標系による表現である。 これらの対応関係は、 互いの基底ベクトルの間にある関係
から求められる (この関係の証明は「円柱座標系の基底ベクトル」を参考)。  実際、 この関係式を $\mathbf{E}$ の円柱座標による表現に代入すると、
と表されるが、 デカルト座標系の基底ベクトルが正規直交基底を成すこと
を用いると、 $(4)$ から
が求まり、 $(5)$ から
が求まるので、 これらより、
が得られる。
  これがデカルト座標系による表現と円柱座標系による表現の対応関係である。
発散の計算
$(6)$ を $(3)$ に代入し、 各偏微分を実行すると、
となるが、 ここで現れた 円柱座標のデカルト座標による偏微分は $(2)$ から
と求められるので (これらの計算方法に関してはページ下部の補足を参考)、 これらを代入すると、
が得られる。
補足
  上の議論で使った偏微分の計算を行う。 $(2)$ より、
であるので、
であることが分かる。
  また、 $(2)$ より、
が示されるので、 逆三角関数の微分が
であることを用いると、
が示される。
  $z$ の微分については $(2)$ より、
であるので、
である。