ベータ関数

  次の積分で定義される $s$ と $t$ の関数をベータ関数 (beta function) $B(s,t)$ という。

ベータ関数の収束00

ここで、$s, t \gt 0$ である。
  右辺の積分は発散せず、値を持つが知られている。すなわち、ベータ関数は収束する。
最終更新 2016年 2月16日


  証明  

  $s \geq 1$ かつ $t \geq 1$ の場合、 $(*)$ の非積分関数

ベータ関数の収束01

は、積分範囲 $[0,1]$ で連続な関数である。 したがって、一般に積分範囲で連続な関数が積分可能であることから、 $(*)$ の積分は発散せずに値を持つ。すなわち、この場合、ベータ関数は収束する。
  よって、以下では、 $0 \lt s \lt 1$ または $0 \lt t \lt 1$ の場合のみ議論する。

  $0 \lt m \lt 1$ を満たす実数を $m$ とし、 $(*)$ の積分を、 $0$ から $m$ までの積分と、$m$ から $1$ までの積分に分ける。すなわち、

ベータ関数の収束02

とする。 右辺の各積分が収束することを次のように示す。

$(2)$ の 第一項の積分の収束
  $0 \lt s \lt 1$ の場合、非積分関数 $(1)$ が $x=0$ で発散するので、 $(2)$ の 第一項の積分は、正確には広義積分によって、定義される。すなわち、

ベータ関数の収束03

と定義される。
  積分範囲 $ [r, m] $ において、 関数 $(1-x)^{t-1}$ は連続関数であるため、 最大値を持つ。これを $M_{1}$ とすると、すなわち、

ベータ関数の収束04

とすると、

ベータ関数の収束05

が成立する。 右辺を

ベータ関数の収束06

と定義すると、

ベータ関数の収束07

である。 また、$f_{1}(x)$ の積分が

ベータ関数の収束08

であるので、

ベータ関数の収束09


  $f_{1}(x)$ は、$(3)$ $(4)$ を満たすので、被積分関数 $x^{s-1} (1-x)^{t-1} $ の優関数である。 一般に、優関数を持つ関数の積分は収束するので、$(2)$ の第一項の積分は収束する(優関数と積分の収束については補足を参考)。
  $0 \lt t \lt 1$ の場合には、 積分範囲 $ [0, m] $ において、被積分関数 $x^{s-1} (1-x)^{t-1} $ が連続なので、$(2)$ の第一項の積分は収束する。
  以上から、$0 \lt s \lt 1$ または、$0 \lt t \lt 1$ の場合、$(2)$ の第一項の積分は収束する。

$(2)$ の 第二項の積分の収束
  $0 \lt t \lt 1$ の場合、非積分関数 $(1)$ が $x=1$ で発散するので、 $(2)$ の 第二項の積分は、正確には広義積分によって、定義される。すなわち、

ベータ関数の収束10

と定義される。
  積分範囲 $ [m, R] $ において、 関数 $x^{s-1}$ は連続関数であるため、 最大値を持つ。これを $M_{2}$ とすると、すなわち、

ベータ関数の収束11
とすると、

ベータ関数の収束12
が成立する。 右辺を

ベータ関数の収束13

と定義すると、
ベータ関数の収束14

である。 また、$f_{2}(x)$ の積分が

ベータ関数の収束15
となるので、

ベータ関数の収束16

  $f_{2}(x)$ は、$(5)$ $(6)$ を満たすので、被積分関数 $x^{s-1} (1-x)^{t-1} $ の優関数である。 一般に、優関数を持つ関数の積分は収束するので、$(2)$ の第二項の積分は収束する(優関数と積分の収束については補足を参考)。
  $0 \lt s \lt 1$ の場合には、 積分範囲 $ [m, 1] $ において、被積分関数 $x^{s-1} (1-x)^{t-1} $ が連続なので、$(2)$ の第二項の積分は収束する。
  以上から、$0 \lt s \lt 1$ または、$0 \lt t \lt 1$ の場合、$(2)$ の第二項の積分は収束する。

まとめ
  以上より、$(2)$ の各項はそれぞれ任意の $s,t >0$ に対して収束する。 よって、ベータ関数 $B(s,t)$ は収束する

  補足   優関数の存在と積分の収束

  区間 $(a, b \hspace{0.5mm}]$ で連続な関数 $h(x)$ が、 次の二つの性質を持つ関数 $k(x)$ を持つとき、 $k(x)$ を $h(x)$ の優関数という。

$(1)$   $|h(x)| \leq k(x)$
$(2)$   $\lim_{r \rightarrow a} \int^{b}_{r} k(x) \mathrm{d}x$ が収束する。

このとき、積分 $$ \lim_{r \rightarrow a} \int^{b}_{r} h(x) \mathrm{d}x $$ は収束する。

  上の第一項では、この定理を $a=0$, $b=m$, $h(x)=x^{s-1} (1-x)^{t-1}$, $k(x)=f_{1}(x)$ の場合に対して適用した。
  第二項の収束についても、同様である。








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