ディリクレ核の定義と幾つかの性質

最終更新 2018年 7月9日  
ディリクレ核の定義
  次の関数
ディリクレ核の定義
ディリクレ核(Dirichlet kernel)という。
$n=10$ の場合のディリクレ核
ディリクレ核はコサインの和による表現
  ディリクレ核は
ディリクレ核のコサインの和による表現
とコサインの和で表せる。

証明
  三角関数の加法定理より、
であるので、
である。 これより、
である。 $m=1$ から $m=n$ までを順番に並べると、
となることから分かるように、 全てを足し合わせると、殆どの項がキャンセルし、
となる。 したがって、 ディリクレ核の定義から、
が成り立つ。

ディリクレ核の指数関数による表現
  ディリクレ核 .
ディリクレ核の指数関数による表現
と指数関数の和によって表される。

証明
  オイラーの公式
から
であるが、 これをディリクレ核のコサインによる表現に代入すると、
となる。

周期が $2 \pi$
  ディリクレ核の周期は $2 \pi$ である。

証明
  定義に従って計算すると、加法定理から
ディリクレ核は周期2πの関数
が成り立つ。

偶関数
  ディリクレ核は偶関数である。

証明
  定義に従って計算すると、
が成り立つので、偶関数である。

フーリエ級数との関係
  積分可能な関数 $f$ によって、フーリエ係数
を定義し、これらによって数列の和
を定義すると、これは ディリクレ核を用いて
ディリクレ核とフーリエ級数
と表すことが出来る。

証明
  フーリエ級数の定義から、
と表せるが、 加法定理を用いて書き直すと、
となる。 最後の等号では、 ディリクレ核がコサインの和で表せることを用いた。

補足
  数列 $S_{n}$ の $n \rightarrow \infty$ の極限
をフーリエ級数という。
  フーリエ級数が関数 $f(x)$ に等しいとき、 すなわち、 数列 $S_{n}$ の収束先が $f(x)$ になるとき、
と表し、右辺を $f(x)$ のフーリエ展開と呼ぶ。
ディリクレ核の積分
  ディリクレ核の積分は、
ディリクレ核の積分
である。

証明
  コサインの和による表現を用いると、
である。